EVの自動車税

電気自動車は自動車取得税や重量税が免税になるので、購入時の諸費用が安くなります。でも毎年支払わないといけない自動車税は?

東京都では、EVは5年間免税になるのですが、千葉県(そして他の道府県の大半)は免税ではありません。テスラモデルXの場合、車格的には4リッターとか5リッターくらいでしょうか。そうなるとガソリン車の場合、自動車税が年間7万円とか8万円くらいになります。

ところが自動車税の計算は単に「内燃機関の総排気量」で決まるようです。EVの場合、排気量はゼロですから、一番小さい「1リットル以下」に該当して年額29,500円とのことでした。

実際、ちょうど最近、自動車税の納税通知書がきました。まあ安いですね。

でも実は取得翌年度だけ減免措置があり、75%減税になるのだそうです。あれ?今って取得翌年度じゃないんだっけ?と思いつつ、よく考えてみると、納車は昨年の3月なので、もう4月から翌年度だったのですね。

あれ?そうか、昨年は安かったんだっけ?と、探してみました。あったあった。

ああ、7,500円だったんですね。あまり意識に残っていなかった。確かに4分の1くらいです。

電費と位置エネルギー

以前の記事で回生ブレーキで電費がマイナスになることがあるということを書きました。

テスラの電費表示の場合、上段は最後の駐車状態からの電費ということになるので、山の上のホテルに宿泊して下りてくるような場合に、このようなマイナス電費ということが発生します。これはつまり、走れば走るほど電池に貯めている電気容量が増えるということです!

もちろんこの電気は根本的には、山を上るときに貯めた位置エネルギーを電気に変えているだけなので、その分はあらかじめ上り坂で消費しています。でも、登り坂で燃費が悪くなるのはガソリン車も一緒ですから、下り坂でその分が返ってくるというのは、電気自動車のアドバンテージです。

では、その位置エネルギーはどのくらいでしょうか。位置エネルギー(単位はJ=ジュール)は、1N(ニュートン)の力で1m動かす仕事量に相当します。地球の重力加速度は9.8m/s^2なので、我が家のモデルX 60Dの車重(車検証に書いてある総重量)2,795kgで計算すると、高度1mあたり2,795×9.8=27,391Jということになります。1Jは1Wの力を1秒間働かせる仕事量なので、3,600J=1Whです。つまり、27,391Jは7.61Whです。

高度1mあたり7.61Whの位置エネルギーですから、1kWhあたりに直すと、1000/7.61=131.4mです。つまり、高度130mあたり1kWhの位置エネルギーに相当します。

我が家のモデルX 60Dは全体の電池容量が60kWhですから、例えばその10%は6kWhで、高度780mに相当します。780m上るために、電池容量の1割を使うわけですから、よくよく電気自動車は高度差について理解しておかないと、なぜか電欠!ということになりかねません。

もちろん、上るときに消費する電力の100%を位置エネルギーにできるわけではありません。同じように、下り坂では位置エネルギーが100%充電できるわけでもありませんが、感覚的には半分以上は返ってくるように感じています。

もし5%の下り坂をただひたすら下ると、マイナス電費はどのくらいになるでしょうか?20km走行して、高度差1000mの位置エネルギー1000/130=7.7kWhの半分が回生されるとして、3.85kWh/20km=192Wh/km、だいたい通常走る場合の電費と同じ程度のレベルなので、5%の下り坂なら、電費はプラスマイナスゼロくらいという計算です。実際は、5%の下り坂なら電費は確実にマイナスになる気がするので、やはり回生効率は50%より大きい。山道の電費では、平地以上にガソリン車より有利に働きそうです。

エコピア オロジック

特に電気自動車だから特別なタイヤが必要ということはないのですが、(1)比較的車重が重い、(2)トルクが大きい、(3)エコ性能に重きを置いて効率性の要求が高い、(4)価格帯が少し高い車種が多い、といった特性から標準装着のタイヤが選定されることが多いようです。

BMW i3のタイヤは、ブリジストンのECOPIA ologicというかなり特殊なタイヤが装着されています。全長がちょうど4mほどのコンパクトカーに標準サイズで19インチタイヤが装着されているのですから、驚きますね。それもフロントが155/70R19で、リアが175/60R19というサイズ。普通は19インチホイールといえば、タイヤの扁平率は50とか40くらいになることが多いわけで、クルマに詳しい人なら、19インチなのに60や70という扁平率はすぐに違和感を感じます。しかも、それだけ大きいのに細い!

ologicリアタイヤ

ologicフロントタイヤのアップこのタイヤ、横から見た見栄えはとても良いと思います。何しろホイールが大きくて、タイヤ全体も大きいので、コンパクトカーなのにスポーティーな感じ。タイヤがクルマに与える表情というのはとても影響が大きい。ネット上の画像ですが、日産リーフとの比較画像を作ってみました。感じ方は人それぞれだとは思いますが、i3の方が走りそうな予感がするスタイルに感じます。ホイールベースはリーフの方が13cmほど長いのですが、i3は四隅に配置された大きなタイヤがしっかりと地面を捉える安定感を感じます。単純にカッコイイと思いませんか?

2017年新型リーフとBMW i3

そして、正面や真後ろから見ると、タイヤはとても細いので、がっかりします(笑)

真後ろから見ると細いologic

ブリジストンは、転がり抵抗を抑えた低燃費タイヤをECOPIAブランドで展開していますが、その中でもologic(オロジック)は特別なタイヤです。2018年3月現在、このタイヤを搭載した市販車はBMW i3だけで、しかも他の市販車にアフターパーツとして取り付けるのは(タイヤサイズがあまりに違うので)かなり困難です。大径で細く軽量高内圧のタイヤによって、転がり抵抗は30%も軽減しているそうです。

i3の乗り味は一種独特と言って良いと思います。BMWらしいテイスト(硬い足回りと敏感なハンドリング)は強く感じるのに、ドライビングポジションが高い位置にあり、ややアップライトな体制になるので、初めて乗ったときには激しい違和感を感じます。この位置で運転しながらも、床下のバッテリーによって重心は十分に低く、コーナリングの安定性はとても高い。出足の加速感はそこまでやる?というほど。スペック上の0-100km/h加速は7.2秒で、十分すぎるほど速いのですが、ologicもそれを吸収するトラクションを発揮しています。

ologicについてひとことで言えば、思ったより普通という印象になります。発進制動時のトラクションも十分にあり、ウェットな路面でも不安になることはありません。モーターのレスポンスの高さ、トルクの大きさ、ワンペダルドライブの一連の組み合わせによって、本当に思い通りに走り、止まり、曲がるという、BMWが目指すドライブフィールがガソリン車とは全然違った形で達成されていると言えるのではないでしょうか。

好みもあると思いますが、欧州車は全体に足回りがとても硬い。i3も例外ではなく、空気圧が高いologicも、その印象を強めているように感じます。i3の場合はカーボン繊維の車体の効果で車重が1300kgと軽いので、足回りが硬いことで路面の凹凸を拾って、瞬間的にトラクションを失いやすい傾向を感じます。タイヤの細さがその傾向に拍車をかけるので、急加速時や急旋回時の路面凹凸ではトラクション不足を感じたり、ジャダーを感じたりします。モーターは緻密に制御すれば空転は限りなくゼロに近づけることができると思うのですが、i3では波打つ路面で強く加速すると空転を感じます。パワーを感じるように、あえてそのようにチューニングされているのかもしれません。もちろん、それで直進安定性が損なわれるとか、不安を感じるようなレベルではありません。

同じ電気自動車というだけで、車重も2倍、電力消費も2倍のテスラモデルXと比較するのもどうかとは思うのですが、その味付けはまったく異なります。テスラは跳ねることも空転することも決してなく、加減速も転回もすべてはオンザレールの感覚で、決してドライバーに身構えさせないように制御しているようです。我が家のモデルXは最廉価モデルなので、0-100km/h加速は6.2秒というスペック(それでもBMW i3よりも1秒速い)ですが、感覚的な加速感は逆で、i3の方が1秒くらい速いイメージ。このあたりの味付けはBMWっぽいのかな、と思っています。

実用的には、ologicの場合、タイヤの選択肢がブリジストンの1種類しかないことが残念なところです。価格的にも高め、コンフォートタイヤとか高性能タイヤという選択ができないし、スタッドレスも1種類だけ。それでもホイール込みで1本3万円くらいなのは、タイヤメーカーにとっては戦略価格なのでしょう。コンパクトカーだと思えば高価なタイヤですが、600万円のクルマのタイヤとしてはむしろ安いかもしれない。

個人的には、横からの見た目がカッコイイ上に、十分な基本性能で、低電費にも寄与していると思うと、とても満足しています。

テスラモデルXとコインパーキング

昔は都市部にはタワーパーキングが多く、クルマを買う際にも、タワーパーキングに入るサイズを選ぶかどうかはひとつの判断ポイントになっていましたが、最近はあまり気にしなくなってきた気がします。

カタログ上の車幅が2070mmもあるテスラモデルXの場合、大きさが気になります。もちろんタワーパーキングに入るとは思っていませんが、コインパーキングでも大多数が無理というような事態になれば、さすがに実用性がありません。

さて実際のところ、どうでしょうか。今まで約1年乗ってきた感触としては、思いのほか困らないというのが実感です。確かに狭い駐車場の中で取り回しが大変だと思うことはありますが、出入りできなかったり、駐車自体が無理という状況には1度も遭遇したことがありません。

下の写真は実際にコインパーキングに停めている状態。駐車枠はおそらく2m幅だと思われます。ぴったり合わせれば、左右とも駐車枠の外側の境界線あたりのところにギリギリになりそうですが、この写真の場合はロック板が右側なのでロック板との間隔に余裕を持たせて、少し左寄りに停めました。そのため、少し左側が駐車枠をはみ出していますが、この程度は何とかなります。

なんとなく左がはみ出しているのは、わかると思います。一番端なので、左側のガードバーまで20cm程度でしょうか。実はこの幅だと助手席から出るのは無理ですが、リアシートのファルコンウィングドアを開けての乗り降りはできます。

右側には十分な余裕があるのがわかると思います。このケースでは、あと10cmくらいは右に寄せてもよかった気がします。

2070mmというと、とても大きいように感じるし、実際、大きいのは確かなのですが、意外に困らないのが実感です。

冬の電費

EVだけの生活になって、初めての冬を越えようとしています。

実感したのは、冬はEVの電費が悪い!ということです。暖房に電気を使うから、極端に電費が悪くなります。冷房はヒートポンプなのですが、暖房は電熱器を使うようですね。マイナス20-30度くらいでも問題なく動くことが求められるEVは暖房は簡単にヒートポンプ化できないようです。

今日のメーターコンソールの写真。

冬のメーターコンソール

朝など始動してしばらくは、瞬間的にkmあたりの消費電力量が1kWh近くになることもあります。安定して高速道路などを走ると、外気温0度で暖房をつけっぱなしでも、270Wh/kmくらいに落ち着く感じですが、それでも夏と比較して2-3割は電費が悪化している印象です。

写真のように、10km走って340Wh/kmだと、我が家のモデルX 60Dでは、フル充電でも180kmくらいしか走れない計算になります。まあ、それでも実用上困ることはあまりないかもしれません。

以前の記事で「電気自動車とガソリン車の経済性」として、年間の走行距離などに応じたコスト比較を書いたのですが、冬を考慮に入れると、実態と合わないし、ガソリンもだいぶ高くなったようなので、再計算してみました。年間の平均電費ということで、テスラモデルXをおよそ300Wh/km、BMW i3を160Wh/kmとして計算しています。

燃費 料金体系 年間3000km 年間1万km 年間3万km
ガソリン 高級車 10km/L ハイオク(146円/L) 43,800 146,000 438,000
エコカー 20km/L レギュラー(135円/L) 20,250 67,500 202,500
電気(テスラ) 300Wh/km
+3kWh/日
電化上手(12.25円/kWh) 24,439 50,164 123,664
スマートライフ(17.46円/kWh) 34,833 71,499 176,259
スタンダード(30.02円/kWh) 59,890 122,932 303,052
電気(i3) 160Wh/km
+1kWh/日
電化上手(12.25円/kWh) 10,351 24,071 63,271
スマートライフ(17.46円/kWh) 14,754 34,309 90,181
スタンダード(30.02円/kWh) 25,367 58,989 155,053

我が家の場合、年間1万km程度なので、表の中の色をつけたところが比較対象です。テスラモデルXでもプリウスクラスのエコカーより安く済んでいるようです。いや、実際は急速充電のためにテスラチャージングカード月額3,250円を維持しているので、4万円くらいプラスだから、そうでもないな…。

冬の電費は大幅に悪化しましたが、それでも同クラスのガソリン車よりはEVの方が確実に維持費は安いようです。でも電気の基本契約はEVのためにだいぶ容量上げてるので、本当はどうなのか、なかなか計算は難しいかもしれません。

テスラモデルXのオートパイロット

NHTSAの自動運転の分類ではレベル2にあたるテスラのオートパイロット機能ですが、これはアクセル&ブレーキに加え、ハンドルを自動操作してくれる機能ということになります。

最近では、日産もプロパイロット機能を宣伝しているし、メルセデスベンツも同様の機能を搭載し、珍しくないような印象もあるのですが、機能を実装するアプローチに大きな違いがあります。

日経オートモーティブが比較記事を書いていて、この中ではメルセデスベンツが1位なのですが、そもそも比較対象にテスラが入っていません。国内での販売台数はここで比べられている車種には遠く及ばないので、仕方ないのかもしれませんが、テスラオーナーは誰もが、ここで比較されている車種と比べれば、ダントツであることを知っています。

比較記事のポイントは、端的に言えば、どの程度自動運転が解除されずに継続するか、ということなのですが、多くの車種では基本的に高速道路のオートクルーズ機能の拡張として提供され、急カーブや車線の途切れといった道路の状態、雨や逆光といった環境要因で解除されてしまいます。一般道ではまったく使えず、onにすることすらできなかったり、停止するたびに再度設定する必要があったりするのですが、テスラは勝手に解除するよりもオーナーの意志を尊重する考え方になっています。

下の動画は、一般道で停止状態から走り始めるオートパイロットの動作を実際に撮影したものです。ハンドルにてを触れている必要はありますが、運転操作は何もしていません。停止状態から前走車にあわせて走り始め、前走車と周囲の状況を感知しながら走っている様子がわかると思います。

テスラのオートパイロット機能は完璧か?と言えば、そんなことはありません。特に一般道では、自転車やバイクに対する配慮が足りず、オートパイロットに任せきりでは危ないし、停止車両をスムーズに避けることもできません。(ギリギリまで迫ってから避けるか、緊急自動ブレーキが作動することになります)

しかし、実際に運転していてアシストが役立つと感じるのは、主に高速道路の巡航と、渋滞です。この2つの利用シーンでは、テスラは本当に楽です。高速道路の巡航時にはハンドルに触れている以外にすることはなく、せいぜい前走車が遅いときに車線変更するためのウインカー操作をする程度です。ウインカー操作をすると、テスラは自動的に侵入予定の車線の状態を見て、クルマがいないことを確認した上で車線変更してくれます。

もっとも効果が大きいと感じるのは、高速道路でも一般道でも、渋滞のシーンです。一般道では、停止車両や自転車にはオートパイロットだけでは危ないと感じることがあり、また、信号の先頭になる場合には赤信号を自動的に見てくれるわけではないので、運転者が判断してブレーキを踏む必要がありますが、それ以外は本当に何もしなくて済みます。高速道路での渋滞は本当にほぼ何もすることがありません。今までつらかった渋滞が、気持ち的には80%くらい緩和されます。

今後も各社ここは主戦場だと思うのですが、少なくとも2018年初頭時点では、自動運転(支援)機能ではテスラがダントツです。

テスラモデルXとBMW i3の自然放電

電気自動車の扱い方は、基本的にスマートフォンやPCと一緒です。何もせずにそのまま放置しても、自然に電力は消費されます。リチウムイオン電池がもっとも大きくダメージを受けるのは過放電ですから、電池の残量がゼロになるのはもっとも避けなければいけない事態と言って良いでしょう。

リチウムイオン電池は制御の難しい電池なので、常に電池側にBMS(電池管理ソフトウェア)があり、可能な限り過放電にはならないように制御されています。とても簡単に言えば、リチウムイオン電池の「残量ゼロ」は本当のゼロではなく、ある程度余力を持っているので、あまりユーザーはそれを意識する必要はないようになっています。

そうは言っても、電池には内部抵抗があり、電圧がかかっていれば必然的に電力が消費され、それは自己放電と言われます。一般的にはリチウムイオン電池は比較的自己放電が大きく、充電した状態で放置すると、常に一定比率の電力を消費するため、使い続けるためには定期的な充電が欠かせません。リチウムイオン電池には電極の素材によって種類がありますが、傾向としては、充放電性能を高めると自己放電は大きくなり、自己放電を抑えようとすれば、充放電性能が抑制的に(一度に放電できる電力の比率が小さく)なる傾向にあります。

テスラとBMWはこのバランスが大きく違います。特にテスラの場合は、自己放電だけでなく、待機時の消費電力がかなり大きい印象があり、単に駐車しておくだけでも、残り電力量が大きく減少します。

ちょうど今回約1週間の旅行で2台とも充電しない期間があったので、電力消費量を比較してみました。

初期状態 6日後 1日あたり減衰率
テスラ モデルX 58% 32% 4.3%
BMW i3 95% 93% 0.3%

初期条件が違うので、単純比較できるわけではないですが、i3は満充電なら1年くらい放置できる計算になりますが、モデルXは1か月ももたないことになります。

別記事でテスラモデルXの1日あたりの電力消費は「走らなくてもだいたい2kWh」としたのですが、今回の4.3%で計算すると、60kWh x 4.3% = 2.58kWhということになるので、おおまかには一致しているわけですが、2kWhよりは多いようです。

アプリから接続するときに、テスラは比較的すぐに応答があるのに対して、BMWは何度か接続タイムアウトすることもあり、おそらく省電力の考え方が違うということもあるのだと思います。テスラには各種の省電力設定があり、省エネモード、スマートエアコンディショニング、キャビンオーバーヒートプロテクション、常時接続の4項目は電池容量維持に効果があり、すべてオフにすれば、1日の消費量は1%以下になるようです。

人によっては、電気自動車は面倒だと感じるかもしれません。しかし、電池残量をそこまで意識しなければいけないことは非常に少ない中で、非日常でも安定して使うための知恵であって、普段意識することはほとんどありません。

テスラの360度センサー

テスラは2016年10月を境に全モデルのハードウェアを更新して、同時にオートパイロット機能のための運転支援ソフトウェアを完全に入れ替えました。その時点で納車していない車体を含め、すべて新しいハードウェアに切り替えられています。

日本国内では、モデルXの納車が始まったのは2017年1月からですから、すべて新しいハードウェアです。これは広くいろいろな記事などで、ハードウェアはHW1とHW2、オートパイロット機能を含めたソフトウェアはAP1とAP2と呼ばれています。

詳しい違いはWikipediaなどに書かれていますが、主な違いはHW1ではカメラが1台だったのに対して、HW2ではカメラが360度をカバーする8台になり、これらを同時に画像処理するためにNVIDIA Drive PX2という高性能機械学習プラットフォームのためのコンピューティングパワーが与えられています。

これは主としてオートパイロットという運転支援機能のための装備で、HW2になってから1年、少しずつ機能向上や精度向上が図られているにもかかわらず、いまだに機能・性能的にはAP2はAP1に追いついてすらいないという課題を抱えています。

今日はオートパイロットではなく、もう少し地味で、HW1とHW2でほぼ共通した仕様である超音波センサーについて、です。厳密には性能差があるそうですが、センサー自体はどちらも自動車の全周にわたって12個配置されており、360度、車体の近くにある物体を検知することができます。

テスラの計器パネルは変形カラー液晶ディスプレイで、標準的には以下のような画面を表示します。実際に表示されている内容はシーンごとに異なり、また、自車の画像はちゃんと実際のモデルや色にあわせて表示されるのですが、これはマニュアルからとったものです。

計器パネル
計器パネル

そして、下の写真はバックしているときの計器パネルを撮影したものです。こんな感じで周囲にある障害物の形状と距離をリアルタイムに表示してくれるので、明確な目安になります。前進しているときでも、速度が遅く障害物に近づいているときは前方向に同様の表示が出ます。

バック中の計器パネル

ギリギリまで寄せたいとか、距離が数字でわかるというのは気が利いていますね。

ただ、実際の障害物は3次元なのに対して、2次元で表示しているので、あまり信じすぎて大丈夫なのかは、よくわかりません。もしかしたら、まだ距離があると思っていたら、段差で下の部分だけをこすってしまうかもしれないので、過信は禁物かな~とは思います。

BMW i Remote

我が家のテスラモデルXと、BMW i3はどちらも電気自動車であるとともに、コネクテッドカーです。通信モジュールを内蔵し、常にネットワーク接続し、スマートフォンのアプリからコントロールできます。

テスラとBMW、それぞれのアプリには設計思想の違いがあります。そもそもリモートからクルマに何をしたいのか、何ができるのか。今日はBMW i Remoteと、そのあり方を中心に考えてみます。

BMW i Remoteは、使い始めるまでがそれなりに面倒です。まず最初にBMWのネットワークサービスであるConnected Driveに登録する必要があります。そもそもこのサービスのURLがわかりにくく、微妙に名称が違うことがひとつのハードルです。

Connected Driveに登録すると、その次に車両登録をします。Webから車両番号を登録すると、車両内のConnectedDriveメニューにメッセージが届きます。このメッセージを開くと、6桁のコードが書かれているので、これをConnected DriveWebサイトで入力することで、Connected Driveアカウントと車両が接続されます。

この作業はすべてWebサイトから実行しなければならず、アプリでは何もできません。アプリを起動しても、IDとパスワード入力画面だけが表示されます。Connected Driveには登録済みであっても、車両登録していないアカウントは使えません。車両登録まで終わって初めて、アプリにアクセスすることができます。

車両登録が終わると、Webから車両にアクセスできるようになります。この時点では車両の状態を見ることしかできないのですが、Web画面からコントロール機能を有効にすることで、車両の状態を変更できるようになります。この変更も、アプリからはできず、車両内のメニューでもできず、WebのConnected Driveページからしかできない。なんとも初期設定のハードルが高く、わかりにくいのはBMWの特徴という印象があります。

コントロールを有効にした後のWeb画面は以下のような感じになります。

BMW ConnectedDriveのリモートコックピット

車両の状態としては、充電状態やオドメーターの走行距離、車両の位置、ドアロックや窓の開閉状態、保守点検の履歴、これまでの電費、TPM(タイヤの状態)などが確認できますが、操作できるのは、ロックする(または解除する)、ヘッドライトのパッシングをする、充電設定を変更する、出発時刻やその時点でのエアコン温度を設定する、地図から目的地をセットする、車内に表示するニュースを設定する、ナビの地図を最新に更新する、といったことができます。

画面はキレイなのですが、ひとつ操作をするのに数分かかります。どうしてこんなに遅いのでしょうか(笑)いつの時代だよ!とツッコミを入れたくなるような操作感です。アプリの画面もデザインはキレイです。

BMW i Remoteスマートフォン(Androidアプリ)の画面

 

また、BMWの場合、Connected Driveに車両登録できるのはひとつのアカウントに限られています。すでにConnected Driveに登録されている車両を、別のアカウントから登録すると、以前に登録されているアカウントから自動的に削除されてしまいます。家族で1台のクルマを使うようなケースではとても使いにくいですね。ひとつのアカウントで複数のスマートフォンからアプリを使うことはできるようなので、家族でひとつのアカウントを使いまわすような設定になります。

テスラの場合は、初期設定の手順が大きく違います。テスラは最初からMyTeslaというページに登録しないと、そもそも購入ができません。店頭で契約するにも、Webから注文しないといけないのです。この時点で自動車メーカーとしては相当に異例です。予約時点からMyTeslaを通して常に状態がわかり、生産され、出荷される状況が確認できます。納車後もMyTeslaで車両と紐づけされていて、この組み合わせは自分で変更することはできません。テスラでは、ネットワークサービスは自動車に対するオマケではなく、むしろ車両はMyTeslaのアプリ内課金アイテムなのです。

例えば我が家のモデルXは60Dなので、MyTeslaのページで75Dにソフトウェアアップグレードすることができます。決済は登録クレジットカードです。自動運転などのソフトウェアオプションは、いつでもMyTeslaから新たに購入することができ、新しい車両の予約・購入もすべてここからできます。

テスラのアプリは、このMyTeslaに接続するアプリです。アプリをダウンロードして、テスラアカウントを入力すれば即使うことができ、アカウントに接続されている車両の状態を確認し、ロックや空調、クラクションなどを操作することもできます。そのうえ、サモン機能を使って車両を前後に動かすことまでできるのです!

テスラアプリ(Android)画面

テスラのアプリでは、BMW i Remoteと違って、操作は1秒程度で終わります。使い勝手は比較にならないと言って良いでしょう。

MyTeslaはひとつの車両を複数のアカウントで共有することもできます。ただ、これは自分ではできず、テスラの営業担当に登録を申請する必要があります。でも、家族がそれぞれのアカウントで使え、例えば複数のテスラ車両がある場合でも、車両ごとに使える人を切り分けることもできるので、これはBMWとは全然違います。このあたりは、もともとネットワーク上のアカウントを中心にして、車両をオプションと考えるテスラと、自動車を中心にしてネットワークアクセスをオプションとして考えるBMWの差と言えそうです。どちらが使い勝手が良いかは、明らかですが、ネットワークなんて必要ない!という人にとっては、テスラの手続きは煩わしいかもしれません。

割安な充電方法

我が家のモデルXは納車から半年を超えました。テスラチャージングカードが有料になります。とりあえず維持することにはしていますが、果たしてテスラチャージングカードは持ち続けるメリットがあるのでしょうか。

ガソリン車、ディーゼル車は、どこでガソリン(軽油)を入れても、せいぜい価格は10-20%程度の違いにしかならないので、およその走行コストはかなり明確に計算できます。それに比べるとEVは計算が難しい。ポイントは2点あり、第一に走らなくても電力を消費すること、第二に充電方法によってコストが大きく違うこと、第三にチャージングカードのような固定費が必要であることがあります。

走らなくても電力を消費するのは、主にリチウムイオン電池が自己放電をするからです。我が家の場合、テスラモデルXでおよそ2-3kWh/日程度、BMW i3の場合でおよそ1kWh/日程度は消費されます。年間にすれば300kWh~1MWhくらいあるので、無視できる金額ではありません。ガソリン車でも、エンジンオイル交換や水抜き剤のような固定費は必要なので、固定費は除外して考えても良いと思うのですが、電費を計算するときには、どうしても気になります。

その自己放電分も含めて、電力はどんな方法で充電するかによって、費用が激しく違います。その違いのレベルはガソリンの比じゃないのです。おおまかに充電方法による1kWhあたりのコストを一覧表にしました。走行費用はテスラモデルXを想定しているので、対比するガソリン車は同クラスでリッター10km程度走るハイオク専用車(ハイオクガソリン140円想定)としています。

充電方法 1kWhコスト(税込) 走行1kmあたり ガソリン比
1 無料急速充電 0 0 0.0%
2 家庭での充電(電化上手・深夜) 12.25 2.70 19.3%
3 スーパーチャージャー 17.28 3.80 27.2%
4 家庭での充電(スマートライフ・深夜) 17.46 3.84 27.4%
5 NCSメンバー 50kW 19.44 4.28 30.5%
6 家庭での充電(スタンダード) 30.02 6.60 47.2%
7 NCSメンバー 20kW 48.6 10.69 76.4%
8 NCSゲスト 50kW 64.8 14.26 101.8%
9 NCSゲスト 20kW 162 35.64 254.6%

我が家の場合、スーパーチャージャーは無制限で無料ですが、今販売しているモデルは年間400kWhを超えた分は上記表の通りです。それでもスーパーチャージャーは急速充電器の中では格安です。

注意しなければいけないのは、急速充電器の場合、上記の表はあくまで理論的最大値で、実際にはバッテリーの電圧(車種によって違う)や、バッテリーの充電状態(80%充電あたりをピークに、0%に近い方は緩やかに、100%に近い方は急速に充電効率が落ちる)によって違うので、その分だけ電力は割高になります。

NCSゲストの場合、充電器の出力にかかわらず、無条件に1分50円かかりますから、充電器が20kWの場合、ガソリンよりもはるかに高い走行コストになります。ガソリンの場合、給油にかかる時間は関係なく、1リッターあたりで支払うのに対して、電力は実際に充電された電力は関係なく、充電した時間で支払うことになっています。つまり充電器の出力を下げると利益が増えるわけで、これは本当におかしな話なのですが、どうも電気事業法と計量法によってそのような料金体系となっているようで、これはEV普及のための大きな障害ではないかという気がします。

テスラのスーパーチャージャーは、方針として「1kWhあたりの料金設定をすることが正しい」と明言していて、実際に米国では1kWhあたり12セントから24セント(州によって違う)の価格設定となっていますが、日本では時間あたり課金となっています。古い法令がEVのインフラ普及の妨げになっている現状は、早く変えて行かないといけないですね。

比較表を見て明らかなのは、結局は家庭で充電する方が基本的に割安であること。それより安くするには、無料の急速充電器をうまく活用することです。テスラの場合は、スーパーチャージャーに限っては一定枠までは無料で充電できたり、ニッサンのZESP2などでは月額会費を払っている限りNCSも無料で充電できます。BMW i3はこのあたりの優遇策が何もなく、1年過ぎるとチャージングカードにも月額5,000円(消費税別)必要なので、割高感は否めません。我が家ではi3で遠出はしないので、1年過ぎたらChargeNowカードは退会しようと思っています。

テスラチャージングカードはひとまず持ち続けることにします。メリットは月額3,250円(税別)を支払って1回30分のCHAdeMO急速充電あたり1,050円(税別)安くなることなので、おおむね月間3回CHAdeMOを使うかどうかで微妙なのですが、利便性との兼ね合いも考えて様子を見ます。

折しも佐野にスーパーチャージャーが開設したり、スーパーチャージャーも増えているので、CHAdeMOを使う必要がなくなってくれば、間違いなく解約と言いたいところです。