結局モデルXは丸4年乗りました。エコカー補助金の保有義務年数でもあり、テスラの買取保証が適用されるタイミングでもあります。テスラの買取保証契約書には、このように書いてあります。
購入時に13万円(税別)のエシュロンZen-Xeroのフルコーティングをしていたこともあり、塗装面やシートは4年の年月を感じさせないほどキレイです。同時期に買った隣のBMW i3はだいぶくたびれてきた感じがあるのですが、モデルXはピカピカです。走行距離も4万km限度に対して33,000kmなので、十分に余裕があります。「テスラの通常損耗に係る基準を超える摩耗もしくは使用、または上記年間走行距離を超える走行距離が認められる場合、本保証買い取り価格を調整する」と明記されており、大きな減額はないと思っていました。
買取保証のためには、買取期限の1ヶ月前くらいまでにテスラのサービスセンターで検査を受けます。このサービスセンターが1ヶ月くらい先じゃないと予約できないので、少なくとも買取期限の2ヶ月前までに動き始める必要があります。検査は自分で持ち込み、3時間ほどかかりました。代車も陸送もありません。有償であっても一切提供しない方針だそうです。さて、3時間待った後、「無事に終わりました」とのことで、特に説明もなく鍵を返されました。
それから2週間あまり。テスラからは何の連絡もありません。さすがに買取保証期限まで1週間ほどになり、こちらからコールセンターに連絡しました。すると、ただちに明細が送られてきました。忘れていただけだったのか、、、と思い、内容を見て仰天しました。
629,200円の減額と書かれています。テスラ側にはここでわざわざ高く査定するインセンティブは皆無ですから、細かく見て1万円くらいの単位、もしくは10万円程度の減額を言ってくることは想像していました。しかし、60万円です。タイヤは新品に替えろという話です。さすがにどのような基準なのか、契約書に書かれていることと整合しているのか、問い合わせましたが、基準は独自で非公表だが社内基準だそうです。例えばタイヤは5mm以上の溝があれば交換は求めないそうです。ついでにいろいろ調べましたが、日本自動車査定協会(JAAI)が中古車査定の標準化をしていて、この基準だとタイヤ5mm以上は加算、飛び石レベルのキズは減額なし。とても通常損耗とは言い難い基準で査定しているように感じます。結果、以下のような買取金額494万円の提示がありました。
そのようなわけで、買取保証まで1週間のところで予定が大幅に狂います。この状況でそのまま条件を飲むのも癪なので、中古車買取も当たってみることにしました。時間がない中、ここまでの顛末は(具体的な金額以外)すべて話した上で、電話査定で応じてくれた某大手G社が520万円の買取価格を出してくれました。本来テスラに期待していた50%の買取金額約550万円には及びませんが、4年乗ったクルマ、それも現在は中古市場で高い価値が出しにくい電気自動車の買取価格としては、良い数字だと思います。
結果、モデルXはG社に引き取られて行きました。その後、テスラオーナーで情報共有をしたところ、モデルXとモデルSの買取保証で、60万円前後の減額査定を出されたという人が続出。マイナス60万円は規定値ではないかという意見も出ました。真相はわかりませんが、買取保証をうたって購入を促し、実際には大半の顧客が大幅減額査定となるような「通常損耗」の独自基準設定は、ブランド価値を貶める上、場合によっては詐欺の領域に入ります。もはや時価総額世界一の自動車メーカーとなったテスラには、そのような残念なビジネスをしてもらいたくないところです。
最後にモデルX引き取りの際には、G社店舗で最終確認いただきました。テスラの査定の経緯、約60万円の減額を受けたこと、それらの実際の指摘箇所はすべて伝えた上で見ていただきましたが、「減額された場所がどこなのか、わからない」とのことでした。