電気自動車の経済性

Model Xの走行距離が1300kmほどになりました。ここまで累計の電費は231Wh/kmです。
オール電化の深夜電力で充電すると、12.25円/kW(税込)なので、1km走行のコストはおよそ3円弱になります。
ハイブリッドのガソリン車が実燃費でリッター20kmくらい走るとしても、1kmあたり6円くらいになるわけで、2.5トンもあるクルマをパワフルに走らせることができるModel Xがその半額で走れるというのは、おそろしく割安です。

家庭での充電ではなく、急速充電ではどうでしょうか?NCSの急速充電が15円/分(税別)、イオン(WAON課金)では300円/30分(1分あたり10円)です。CHAdeMO急速充電器の出力は40-125Aまであり、1分あたり充電できる電力量は電池の劣化状態や充電ステージによって違うのですが、Model X 60Dの場合、容量の20-80%ほどの範囲ならば14-40kWくらいの電力で充電できます。kWhあたりに直すと、14-40kWhあたりで600-900円ということになるので、15-64円/kWhの計算で、1kmあたりに直すと3.5-15円くらい。同クラスのガソリン車より幅はありますが、中央値で考えると大差なく、ガソリン車より安い方法は選びやすそうです。無料の充電スポットもあるので、工夫次第でもっと安く乗ることはできるかもしれません。

しかし、もちろんコトはそんなに単純ではありません。電気自動車は意外に固定費がかかります。

Model Xの場合、まったく乗らなくても1日あたり2-3kWhくらいは放電します。ざっくり1日30円は維持費。
さらに現実問題として、急速充電のNCSに加入しないと遠出が難しいし、使い方が制限されます。楽しく乗るにはこれも必要コストと考えると、テスラチャージングカードが月額3,250円(税別)です。

月間4,000円程度の固定費は、私のような週末ドライバーの場合、年間1万キロ走行としてkmあたり5円くらいになるため、直接的な走行あたり電気代とあわせて8円/kmです。走行距離が年間1万キロより少なかったり、急速充電ばかりで充電していると、もっと割高になり、走行距離が多ければさらに割安になります。

ガソリン価格120円で計算すると、リッター15km走るガソリン車と同等。ガソリン車はオイル交換などもある一方で、Model Xの場合、重量税が免税、自動車税は軽自動車並みなので、税金は年間3-4万円くらい安い。

全体的には週末ドライバーでもガソリン車よりおおむね安上がりで、しかもその差は走るほど大きくなるので、電気自動車は経済性も良いと言えそうです。

Model Xのサイズ

予約を入れるまでに、一番悩んだのがModel Xのサイズ。数字を見ると、とにかく大きい。公式の資料では、全長5,037mm、全幅2,070mmだという、思わず「えっ?」と2度見してしまうサイズ感。カイエンと比べても、長さが20cmほど長く、幅も10cm以上長い。およそ家庭向けの自動車で見たことがない。

何と比べれば良いのか?と思って、比較してみるのがマイクロバスのトヨタコースター。標準ボディーの25人乗り、さすがに長さは6,255mmあるけど、幅は2,080mmということは、ほぼModel Xと同じ。マイクロバスレベルかー・・・

あれこれ逡巡しながらも、やはりどうしても乗りたい・・・
実用性のあるコンパクトカーを一緒に買うことにして、思い切って買ってしまえ!予約だけなら、いざ最終的に発注の段階でやめることもできるし・・・ということで予約しました。

2016年9月はじめて国内でModel Xの実車を青山ショールームで見たのですが、デザインの効果もあって実物はそんなに大きく見えない。それよりも実車を観たら、より欲しい気持ちが高まり、それまでどちらかと言えばネガティブだった家族も盛り上がり、結局オーダーしてしまったわけです。

でも車検証やオーナーズマニュアルに書かれている全幅は1,990mmです。それでも大きいけど、ずいぶん印象が違います。

意外なことに、実際これまで大きさで困ったことはありません。さすがに住宅街の裏道は通らないし、タワー駐車場に入れようと思わないのは確かですが、それなりに狭い道に入ってしまっても出られなかったということはないし、コインパーキングに停められないということもありません。なんだ、意外にいけるじゃないか、と楽しいテスラ生活を過ごしています。

充電スポットで普通充電

EVの普通充電スポットは、だいたい下のような看板で表示されています。NCSは60分制限が多いようですが、イオンモールなどの普通充電スポットでは3時間まで、ホテルなどの宿泊者向けなどでは無制限のところもあります。

充電スポットを探すのは、スマートフォンアプリが便利です。EVsmartや、GoGoEVが人気のようです。私のお勧めは、アプリ機能が充実している上にiPad版もあるEVsmartです。利用者もEVsmartの方が多いようで、口コミが多い印象です。

昼食や買い物のついでに充電できると、充電計画に余裕ができます。普通充電器はおよそ3kWで充電するので、テスラModel Xなら充電1時間あたり12kmくらいは走れそうです。ちょっと遠いイオンモールに足を延ばして、映画やショッピングを楽しんで3時間充電して帰ってくると、往復走っても充電が少し増えた!というイメージでしょうか。

充電でお得という感覚もそうですが、長時間の普通充電器は良い場所に優先的にクルマを停められるメリットも大きい気がします。今のところは駐車場が混雑していても、EV充電スポットは空いていることの方が多い印象なのがうれしいですね。

EVの充電

当たり前のことですが、電気自動車は充電しないと走れません。それもガソリン車のように空になったら入れるのではなく、電池が適切なレベルを保ち続けるようにメンテナンスする感覚が必要です。クルマを使わなくても電池は少しずつ放電してしまうし、極端に放電した状態が続くと劣化してしまいます。

テスラの場合、クルマ側はテスラの独自コネクターがひとつついているだけです。必要に応じてアダプターを使うことになります。

充電場所 充電方式 必要なオプション
自宅 普通のコンセント モバイルコネクター
充電コネクター(交流) SAE J1772変換ソケット
テスラウォールコネクター (そのまま)
充電スポット 普通充電器(交流) SAE J1772変換ソケット
急速充電器(直流) CHAdeMO充電対応アダプター
テスラスーパーチャージャー (そのまま)

モバイルコネクターは68,157円のオプションです。普通の家庭用コンセント(100Vか単相200V)を使って充電したい場合には必要ですが、他の方法のみを利用する場合には不要です。200Vでおよそ3kW、100Vで1kW程度の充電になるため、電池が空に近い状態で充電をすると、かなりの時間がかかります。

SAE J1772は現在国内で販売されているEVやPHEVの(おそらく)全車種についているコネクターで、充電効率は単相200Vで充電するのと同様ですが、コンセントよりも扱いやすく安全性にも優れています。テスラの場合は小さな変換ソケットが必要ですが、これはクルマ購入時に付属してきます。

ウォールコネクターはテスラ専用ですが、変換ソケットが必要なく使い勝手が良いです。他社のEVを買う予定がないなら、これが便利ですね。すでに単相200Vのコンセントなどがあれば、数万円程度で設置工事できます。

外部の充電スポットの普通充電器は、家庭のSAE J1772と一緒ですが、一般的には充電するためにカード認証システムなどがついています。

CHAdeMO方式の急速充電器とスーパーチャージャーは直流で高速な充電ができる方式です。国内で販売しているEVやPHEVも多くはCHAdeMO方式に対応していますが、SAE J1772とは別のコネクターがついています。リーフやプリウスPHVなどは2つのコネクターが並んでいますが、BMW i3はSAE J1772はフロント、CHAdeMOはリア右側と、別々の場所についています。テスラは同じコネクターを使います。

充電スポットにはいろいろありますが、大多数を占めるのはNCSという会員制の充電ネットワーク。月額固定費を支払った上に、充電するごとに従量制の料金がかかります。普通充電専用、急速充電専用、両対応のカードがあり、EVの場合多くのメーカーはNCS対応の充電カードを優遇して提供しています。テスラの場合は、両対応のカードを6か月間無料で使えますが、その後は月額3,250円プラス従量料金が必要になります。

NCSに加入しなくてもスポットで充電する方法はあります。イオンは大規模ショッピングモールに充電器の設置を進めているようですが、普通充電器はWAONをかざすだけで無料で使えるものが多く、急速充電器もWAON決済で1回300円程度で利用できます。タイムズやリパークの駐車場では、駐車料金だけで普通充電できる設備があるところがあります。地方自治体などが設置する充電器は、誰でも無料で使えるものもあるようです。でもNCSに入らずに遠出をするのは、相当頭を使った充電計画が必要になりそうで、NCSがあればどこでも充電できる安心感があります。

テスラ Model X納車

2017年3月ついにModel X納車の日を迎えました。

予約を入れたのが2015年3月なので、ちょうど2年あまり。日本での受注開始のタイミングで正式注文したのが9月。オーダーしたModel X 60Dの製品寿命は驚くほど短く、2週間ほどでモデル一覧から消えました。

納車されたModel X 60Dは、納車の時点ですでにディスコン商品ですが、現在販売されているベースモデル(75D)より200万円近く安いお買い得モデルです。モデル選択については、いずれ詳細に書きたいと思います。