Model X 60Dを買った理由

電気自動車1本で新しい価値を提供しようというテスラには、当初から注目していましたが、ロードスターの時代は、あくまでスーパーカーで自分が買うクルマとは全然想像していませんでした。

しかし、2012年にModel Xが発表されたときに、これは本当に乗りたい電気自動車だと思うように。しかしあまりに大きなサイズに、ミドルサイズセダンのModel 3や、ミドルクラスSUVのModel Yを待つのが良いのではないかと考えていたのですが、、、

日本国内でも2012年から予約が開始されていましたが、2015年3月に、突然「予約しておくだけならいいだろう!」と思い立ち、予約金50万円を支払って予約しました。国内での予約番号は89番だったようです。

予約から1年半ほど経過した2016年8月、すでに米国での納車開始から1年近く経っていたのですが、ようやく実車のショールーム展示の案内がきました。9月にショールームに行き、その後Webで注文確定という流れです。

ここで問題になるのは、どのグレードを選択するか。当時のラインアップは60D, 75D, 90D, P90Dの4種類。テスラの場合、グレードによって選べるオプションが変わることはないので、グレードの選択は純粋にバッテリー容量とモーターの出力で選ぶことになります。現在はラインアップが変わっていますが、当時の情報とあわせて表にすると以下のようになります。

モデル 出力(kW) 0-100km 車両価格(当時) 車両価格(現在)
60D 245 6.2 8,950,000
75D 245 6.2 9,990,000 10,780,000
90D 311 5.0 11,510,000 12,100,000
P90D 568 3.1 13,810,000
100D 311 5.0 12,840,000
P100D 568 3.1 16,112,000 18,450,000

バッテリー容量が大きい方が良いのは間違いないですが、60Dは実際は75Dと同じバッテリーを搭載し、ソフトウェアで60kWに制限をかけたものです。バッテリーのサイズは航続距離の違いになるだけでなく、実際は充電速度や劣化にも影響するわけですが、60Dは充電速度や劣化は75Dのスペックそのままで、航続距離だけが80%に制限されているモデルです。もともとバッテリーの性能維持のためには、100%充電しないで80%程度にとどめておくことが推奨されていることを考えると、75Dを買うなら、60Dが良い選択になりそうです。

一方、性能を求めるならルーディクラス・モードがついた「P」モデルが目を引きます。0-100km加速が3.1秒というSUVを超越した数字は魅力的です。買うなら60DかP100Dのどちらかじゃないか、と絞り込みました。当時の価格でP90DとP100Dに相当な価格差があるように見えますが、これは標準装備の違いも大きいので、オートパイロットをはじめとするオプション装備をつける前提で考えると、価格差はそれほど大きくないのです。

しかし、仮に3-4年乗ったとして、ルーディクラス・モードを何回使うかと思うと、2倍近い価格差はかなりためらわれます。あまり知られていませんが、3.1秒の加速を実現するためには、単にルーディクラス・モードにすれば良いわけではなく、バッテリー出力最大化を設定して、バッテリーが温まるまで待つ必要があります。もちろんバッテリーの負担も大きいため、耐久性にも影響があります。日常的に使う(必要もないですが)ものではないのです。

実際にModel Xに乗って大きすぎると感じたら、いずれModel Yにしようと考えるとなおさらPは無駄な投資と思えます。(当時の)P100Dと60Dの実質的な価格差は500万円くらいなのですが、むしろその差額でコンパクトカーを買った方が良いのではないかとも思います。ということで、もっともお買い得と思われる60Dにして、バッテリーが足りないと思ったら、ソフトウェアアップグレードで75Dにするという選択が良いという結論に至りました。

ちなみに60D→75Dのアップグレードは、いつでもMy TeslaのページからWebでクレジットカード決済できます。当初109万円だったアップグレード費用は現在では50万円に下がっています。あらためて60Dはお買い得なモデルだったなぁ、と思っています。

ガソリン車やディーゼル車との比較はどうでしょうか。フルサイズSUVを中心に比較表を作ってみました。

メーカー 車種 グレード 車両本体価格(税込) 米国価格(米ドル) 0-100km加速 JC08燃費 タイヤ
ポルシェ カイエン 8,940,000 60,600 7.7 9.3 255/55R18
S 11,840,000 77,400 5.5 9.5 255/55R18
アウディ Q7 3.0 TFSI 9,290,000 55,500 6.0 11.7 255/55R19
メルセデス GLE 350 d 4MATIC 8,680,000 52,000 7.1 12.9 255/55R18
GLS 550 4MATIC Sports 15,000,000 93,850 5.6 8.2 295/40R21
レクサス RX 450h AWD 7,285,000 53,035 7.7 18.2 235/55R20
LX 570 11,000,000 89,880 6.5 6.5 285/50R20
ランドローバー RANGE ROVER SPORT SE 8,950,000 67,650 7.6 6.9 235/65R19
テスラ Model X 60D 8,950,000 74,000 6.2 275/45R20

これを見ると明らかだと思うのですが、テスラは米国価格に対して、日本の価格がとても安いのです。これはテスラが公正価格方針をとっていて、世界中で同じ車種は同等の価格で買える状況を志しているためです。米国価格を基準にModel X 60Dのライバルを探すと、ポルシェのカイエンSが価格も性能も近いようですが、タイヤサイズやボディーサイズをみると、Model Xの方が全長+20cm、全幅+13cmで、タイヤサイズも標準20インチ、乗車定員も7名までいけるので、車格的には上と言って良いように思います。

カイエンSよりも300万円安く、クリーンエネルギー自動車補助金が60万円受けられ、重量税が免税、自動車税は軽自動車並み。スーパーチャージャーでの充電は永年無料で、オートパイロットなどのソフトウェアは2000万円級の上級車種とまったく一緒です。さらに、テスラ・ジャパンでは4年後に販売価格の約50%の買取保証があります。実質的な保有コストを考えると、Model X 60Dはこの上なくお買い得なのです。

ところで、現在ではすでに60Dはなく、代わりに(Pではない)100Dが新たなラインナップに加わっています。為替レートの変動もあり、価格も10%ほど高くなりました。現在の構成ならどの車種を選ぶか?これは100Dですね。75Dから見れば、33%バッテリー容量が増加し、NEDC基準の航続距離が150km増えます。0-100km加速は5.0秒で、ルーディクラス・モードはないけど、SUVとしての加速力はもはや(500万円くらい高い)カイエンターボくらいしかライバルはいません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です