我が家のモデルXは納車から半年を超えました。テスラチャージングカードが有料になります。とりあえず維持することにはしていますが、果たしてテスラチャージングカードは持ち続けるメリットがあるのでしょうか。
ガソリン車、ディーゼル車は、どこでガソリン(軽油)を入れても、せいぜい価格は10-20%程度の違いにしかならないので、およその走行コストはかなり明確に計算できます。それに比べるとEVは計算が難しい。ポイントは2点あり、第一に走らなくても電力を消費すること、第二に充電方法によってコストが大きく違うこと、第三にチャージングカードのような固定費が必要であることがあります。
走らなくても電力を消費するのは、主にリチウムイオン電池が自己放電をするからです。我が家の場合、テスラモデルXでおよそ2-3kWh/日程度、BMW i3の場合でおよそ1kWh/日程度は消費されます。年間にすれば300kWh~1MWhくらいあるので、無視できる金額ではありません。ガソリン車でも、エンジンオイル交換や水抜き剤のような固定費は必要なので、固定費は除外して考えても良いと思うのですが、電費を計算するときには、どうしても気になります。
その自己放電分も含めて、電力はどんな方法で充電するかによって、費用が激しく違います。その違いのレベルはガソリンの比じゃないのです。おおまかに充電方法による1kWhあたりのコストを一覧表にしました。走行費用はテスラモデルXを想定しているので、対比するガソリン車は同クラスでリッター10km程度走るハイオク専用車(ハイオクガソリン140円想定)としています。
番号 | 充電方法 | 1kWhコスト(税込) | 走行1kmあたり | ガソリン比 |
1 | 無料急速充電 | 0 | 0 | 0.0% |
2 | 家庭での充電(電化上手・深夜) | 12.25 | 2.70 | 19.3% |
3 | スーパーチャージャー | 17.28 | 3.80 | 27.2% |
4 | 家庭での充電(スマートライフ・深夜) | 17.46 | 3.84 | 27.4% |
5 | NCSメンバー 50kW | 19.44 | 4.28 | 30.5% |
6 | 家庭での充電(スタンダード) | 30.02 | 6.60 | 47.2% |
7 | NCSメンバー 20kW | 48.6 | 10.69 | 76.4% |
8 | NCSゲスト 50kW | 64.8 | 14.26 | 101.8% |
9 | NCSゲスト 20kW | 162 | 35.64 | 254.6% |
我が家の場合、スーパーチャージャーは無制限で無料ですが、今販売しているモデルは年間400kWhを超えた分は上記表の通りです。それでもスーパーチャージャーは急速充電器の中では格安です。
注意しなければいけないのは、急速充電器の場合、上記の表はあくまで理論的最大値で、実際にはバッテリーの電圧(車種によって違う)や、バッテリーの充電状態(80%充電あたりをピークに、0%に近い方は緩やかに、100%に近い方は急速に充電効率が落ちる)によって違うので、その分だけ電力は割高になります。
NCSゲストの場合、充電器の出力にかかわらず、無条件に1分50円かかりますから、充電器が20kWの場合、ガソリンよりもはるかに高い走行コストになります。ガソリンの場合、給油にかかる時間は関係なく、1リッターあたりで支払うのに対して、電力は実際に充電された電力は関係なく、充電した時間で支払うことになっています。つまり充電器の出力を下げると利益が増えるわけで、これは本当におかしな話なのですが、どうも電気事業法と計量法によってそのような料金体系となっているようで、これはEV普及のための大きな障害ではないかという気がします。
テスラのスーパーチャージャーは、方針として「1kWhあたりの料金設定をすることが正しい」と明言していて、実際に米国では1kWhあたり12セントから24セント(州によって違う)の価格設定となっていますが、日本では時間あたり課金となっています。古い法令がEVのインフラ普及の妨げになっている現状は、早く変えて行かないといけないですね。
比較表を見て明らかなのは、結局は家庭で充電する方が基本的に割安であること。それより安くするには、無料の急速充電器をうまく活用することです。テスラの場合は、スーパーチャージャーに限っては一定枠までは無料で充電できたり、ニッサンのZESP2などでは月額会費を払っている限りNCSも無料で充電できます。BMW i3はこのあたりの優遇策が何もなく、1年過ぎるとチャージングカードにも月額5,000円(消費税別)必要なので、割高感は否めません。我が家ではi3で遠出はしないので、1年過ぎたらChargeNowカードは退会しようと思っています。
テスラチャージングカードはひとまず持ち続けることにします。メリットは月額3,250円(税別)を支払って1回30分のCHAdeMO急速充電あたり1,050円(税別)安くなることなので、おおむね月間3回CHAdeMOを使うかどうかで微妙なのですが、利便性との兼ね合いも考えて様子を見ます。
折しも佐野にスーパーチャージャーが開設したり、スーパーチャージャーも増えているので、CHAdeMOを使う必要がなくなってくれば、間違いなく解約と言いたいところです。