レンジエクステンダー

BMW i3は、レンジエクステンダー装備モデルがありますが、我が家のi3は純粋なEVです。レンジエクステンダーのないモデルを選択しています。

この地域(千葉県)の営業担当者によれば、レンジエクステンダー付を選択する人の方が多数派のようです。EVというと、航続距離が気になる人が多いと思います。他社にあまりない選択肢としてレンジエクステンダーがあるのが、i3の魅力のひとつだという話には説得力がありますね。

なぜレンジエクステンダー付ではないのか?我が家では迷うことなくREXなしを選択しています。

最大の問題は、車両重量がREX付は1420kg、REXなしは1300kgで、約10%の違い。これをどう考えるか。常に10%の重りを乗せている、または常に大人2名が余計に乗車している状態になっている、と考えると、燃費(電費)や走りにも確実に悪影響があります。

もうひとつは、機械である以上、使わないと劣化するということ。REX付を選んだら、せめて数か月に1回くらいは燃料タンクを空にするくらいREXを使ってあげる必要がある、いや、そうするべきだと思います。ガソリンも入れっぱなしでは劣化してしまうし、いつも劣化したガソリンばかりでエンジンを回すのも、とてもエンジンに良いとは思えません。

我が家では遠出するときはテスラModel Xなので、BMW i3は日常の足であり、1日に100km走ることは、まずありません。そう考えると現在のi3で満充電なら実質的に200km程度は走行でき、真冬(未経験)に暖房全開でも、おそらく150kmは走れる。REXが必要なシーンはまずないし、本当にそのような状況ならCHAdeMOで急速充電しても良いわけです。

最大で9Lのガソリンタンクで、ガソリンスタンドに行って給油?そうしてREXをメンテナンスしていくのは、考えることがひとつ増えるだけで、ほとんどメリットがない気がします。

分類上はレンジエクステンダー(REX)のないモデルは電気自動車(EV)、REXのあるモデルはプラグインハイブリッド車(PHEV)ということになるようですが、i3の構造上は電気自動車にガソリン発電機がついているかどうかというだけの違いになります。PHEVといっても、現行(新型)プリウスPHVの8.8kWh、アウトランダーPHEVの10.2kWhと比較して、i3は33.2kWhと圧倒的な量の電池を搭載している一方で、発電用のエンジンは647ccと軽自動車以下、タンク容量も9Lですから、優先度の違いは明らかです。

PHEVとしての、REX付i3の燃費は24.7km/Lとされています。でも、REXで航続距離が延びるのは、カタログデータで121kmです。タンク容量9Lで割ると、リッター13.4km、せっかく直接のCO2排出がないEVに乗っているのに、こんなに効率が悪いエンジンで走るのは残念ですね。

もちろん、自動車の利用のしかた次第なので、REXがあることが魅力になるという人はいると思います。REX付でもまだ1420kgで同クラスの普通のクルマと変わらないともいえるのはi3の強みです。1.4tの重量で500km超走れるEVは他にないですから。

ナビが使えない!

テスラのセンターコンソールを見た人は一様に驚きの声を上げます。17インチのモニターが縦型に据え付けられているのは、とてもインパクトがあります。

この画面、リアカメラや音楽再生、カレンダーなどの機能に切り替えることができ、2分割で半々に表示したりもできるのですが、なんと言ってもやはりメインのアプリケーションはナビです。良い意味でも悪い意味でも普通のクルマとは大いに違うのです。

テスラのナビは基本的にGoogle Mapのカスタム版になっています。Google Mapで見慣れた画面にテスラのロゴが重ねて表示されています。現在のモデルXには標準でLTEの通信モジュールが搭載されており、地図には常にGoogle Mapの最新データが表示されており、ほとんどの操作は巨大なiPadを操作するように、タッチやスワイプ、ピンチで直感的に使うことができます。

ナビの目的地設定は、通常はハンドルについている音声認識ボタンを押して音声で指示をします。最近のグーグル検索と同じように、目的地は正確に表現する必要がなく、少しくらい間違ったことを言っても、たいてい正しい目的地(または目的地候補リスト)を示してくれます。また、電話番号や住所を音声で言っても、目的地設定できます。手書き入力などの機能もありますが、冗談かと思うほど使いにくいので、ほぼ音声だけです。

写真でもわかる通り、渋滞情報はGoogle Mapと同じINRIX社の情報が使われています。利用者のスマートフォンなどの位置情報を集計して作る渋滞情報の精度はとても高い。国産カーナビが使っているVICSとは比較にならないほど情報量が多く、時間応答が良く、非常に正確です。もはや、莫大な設備投資をして情報を作っているのに幹線道路しか情報がなく、更新が遅く、しかもわざわざ自動車側にも複数のビーコンを装備する必要があるVICSなどやめて、もっと他のことに投資してもらいたいと思うのですが…。

地図としての基本機能は国産カーナビと比較にならないほど優れ、画面も大きく操作性も良く、ほとんど音声で処理できるのは、まさに未来のクルマという印象なのですが、一転してカーナビとしての機能は実は微妙です。

何より困るのは、山間部に行くとナビが使えない。海外製と思われるLTEモジュールはドコモ回線を利用していますが、おそらくFOMAプラスエリアなどの周波数に対応していないので、山間部で通信不能になります。あらかじめわかっていれば、その地域の地図をダウンロードしておいたり、目的地をセットしておくこともできるのですが、通信不能の地域に入ってしまうと、とにかく何もできません。いきなりナビがまったくない状態になってしまう。昔はそれが普通だった気がしますが、今の時代にナビなしは、ちょっと心細いことになります。

また、ナビとしての機能は、とにかく距離を最適化する傾向があり、(これはBMW i3のナビも同様なんですが)とても通れない道を選ぶことがしばしばあります。到達時刻は渋滞情報が加味されず、都心では現実より相当早く、山間部では現実より遅く計算されます。国産カーナビのように、難しい立体交差や首都高ランプを拡大表示したり、音声できめ細かく案内するような機能はありません。地図はGoogle Mapなのに、ナビ機能はGoogleのものではなく、カーナビとしては、スマートフォンのナビアプリや、Google Mapのナビ機能を使った方が、はるかに良いようです。実際、スマートフォンを併用するようになりました。

メイン画面のGoogle Mapでは、実際に案内中にどこを曲がるのか、わかりにくいのですが、インパネの左3分の1には拡大した現在地が表示されます。これは非常にわかりやすい。(写真はスーパーチャージャーで充電中のものなので、真ん中が速度計ではなく、充電情報になっています)

通信モジュールは将来的にハードウェア交換などができるといいな、と思います。ナビの方は、きっとソフトウェアアップデートで改善されることを期待しつつ…。

充電できない!

テスラをCHAdeMOの急速充電器で充電する場合には、CHAdeMOアダプターを使って接続します。このアダプターは国内でテスラのクルマを購入すると標準で付属してきます。

世界で使われている電気自動車用の高速充電器はCHAdeMO方式、コンボ(CCS)方式、テスラ方式、中国方式があるようですが、DC(直流)で電流・電圧を適切に調整しながら充電するという意味では同様の機能を提供しているわけで、テスラのアダプターのように、アダプターで対応できる気がするのですが、実際にアダプターが存在するのは、このCHAdeMO→テスラだけのようです。いろいろ事情があるのでしょうね。

しかし、このアダプターで完璧かというと、そうも行かないようです。最近、いくつか充電できないケースがあり、どうやらテスラ本体のソフトウェア更新も関係しているようです。

写真は三菱自動車に設置されていたJFEの充電器ですが、真ん中にわざわざテスラ向けの注意書きまであるのに、絶縁試験に失敗しましたと表示され、充電できませんでした。以前は充電できた、またはテスラでも車種によって充電できるということなのかもしれません。

こちらは別の充電器ですが、やはり同じように接続を確認する部分でエラーになっているようです。「早く充電しなければ!」と、ようやくたどり着いた充電器で、このように充電できないとショックです・・・。

EVsmartなどの口コミをよく確認して充電計画を立てること、充電器のメーカー名や機種なども把握することなどが重要みたいです。

電気自動車に必要なバッテリー容量

電気自動車の選択について回るのが、バッテリー容量です。ガソリン車やディーゼル車では、航続距離は燃費とタンク容量で決まるわけですが、空にさえしなければガソリンスタンドですぐ満タンですから、そこまでは気にしませんね。

我が家のBMW i3の場合、33kWhの電池を搭載し、JC08モードで航続距離390kmとされています。1kmあたりの電費は約85Wh/kmということになりますが、正直なところ、現実的な電費とは2倍近く違います。モデルチェンジ前のi3は21.8kWhで229kmということだったので、電費も95Wh/kmから85kWh/kmに10%くらい向上したようですが、何が寄与しているのかは、正直よくわかりません。

i3の主な用途は日常利用なので、どんなに多くても1日に100km走ることはなく、そういう意味では旧モデルでも問題はなかったかもしれません。でも、電池容量が大きいと充電時間も短くなるし、寿命も電池容量に(ほぼ)比例して伸びるので、電池容量が大きいに越したことはない。

蓄電池は充放電を繰り返すと劣化しますが、この劣化の指標となるのがサイクル時間です。我が家のi3の実電費は130Wh/kmほどですが、仮にこれで1万km走ると、累積で1300kWh使うわけで、これは電池容量33kWhの39.4倍です。電池屋さんは、これを39.4Cと表現します。我が家のi3の場合、1万km走ったら39.4C、5万kmなら197Cということになります。

リチウムイオン電池の標準的な性能では、500Cで容量60%と言われます。仮にその通りだとすれば、1万kmの39.4Cでは、0.6^(39.4/500)=0.961で、1万kmでは3.9%の電池劣化になるわけですが、21.8kWhの旧バッテリー仕様だとすると、59.6Cで0.6^(59.6/500)=0.941なので、電池劣化は5.9%も進むことになるのです。もともと容量が少ない上に、早く劣化してしまうわけで、電池容量がいかに大事かがわかります。

我が家のテスラの方は60kWhですが、実際に搭載されているのは75kWh、実電費230Wh/kmで計算して、劣化率一覧表を作ってみました。

モデル(電費) 電池容量 1万km 5万km 10万km 25万km
BMW i3 (130Wh/km) 21.8kWh 5.9% 26.3% 45.6% 78.2%
 33.2kWh 3.9% 18.1% 33.0% 63.2%
テスラ モデルX 60D (230Wh/km) 75kWh 3.1% 14.5% 26.9% 54.3%
テスラ モデルX 100D (230Wh/km) 100kWh 2.3% 11.1% 20.9% 44.4%

寿命を考えると、容量は大きければ大きいほど良いわけですが、その一方で、充電インフラを考えると、あまり大きくても意味がない面もあります。

我が家の充電器は200V16Aなので、深夜電力の23時~7時までの8時間で充電できるのは25kWhくらいです。BMW i3の場合は、ほぼ空っぽでも翌朝には満タンということになるわけですが、テスラの場合は1日では満タンになりません。テスラ本体は交流200Vでも標準で48A、アップグレードすると72Aまで流せるし、ウォールコネクターは80A容量なので、太いケーブルがついているのですが、通常の宅内配線では、ピークで20Aまでなのです。

また、CHAdeMOの急速充電器は出力の大きいもので400V125Aで、最大30分で制限されているものが大半です。理論的限界値でも、1回の充電で25kWhしか充電できないわけです。CHAdeMOにはもっと電流値の低い充電器も多数あって、30分で充電できるのは10kWhなんていうこともあるので、電池容量を生かせないことも多い状況です。

現在標準的な電気自動車の充電環境を考えると、だいたい30~40kWh程度の電池容量にとって快適な設計がされているので、テスラModel Xの60kWhもBMW i3の33kWhも、不足や不便は感じません。スーパーチャージャーが近くにあったり、CHAdeMOの容量が大きく上がったりすると、また違うのかもしれません。

 

テスラのオートパイロット

テスラの魅力はいろいろありますが、まずは独断でその魅力をランキングしてみます。

  1. クルマというものの再発明であるということ
  2. オートパイロット
  3. ファルコンウィングドアを含めたギミック

T型フォードが発売されたのが1908年ということなので、ガソリン車の歴史から100年を経て、電気自動車という新しいムーブメントが実用性のレベルに到達したのだと思います。

ガソリン車にはさまざまな不自由があります。エンジンを始動しなければいけないこと、エンジンが即その力を発揮するには回し続けなければいけないこと、常にタンクにガソリンや軽油の残量を維持しなければいけないこと、エンジンまわりの温度を一定に保たなければいけないこと。

電気自動車も含めて、普通のクルマにはイグニッションがあり、これをONにしないと走りません。(当たり前ですね)

でも、テスラにはイグニッションという概念はありません。キーを持ってクルマに近づくとアンロックされ、ドアノブをタッチするとドアが開く。乗り込んでブレーキペダルを踏むと、ドアは自動的に閉まり、シフトレバーをDレンジに入れてアクセルを踏めば動きます。イグニッションはないし、パーキングブレーキを手動で操作することもありません。降りるときも、パーキングボタンを押したら、あとは降りるだけ。自動的にパーキングブレーキがかかり、クルマから離れると自動的にロックされます。快適なカーライフを根本から考えたら「こうなりました!」というのが、テスラ最大の魅力だと思います。

そして次にくるのがオートパイロット。クルマに対する考え方は人それぞれいろいろあると思います。運転するのが楽しい、加速することが楽しい、スピードを出したい、ワインディングを駆け抜けるのが楽しい、ドリフトなどの限界姿勢をコントロールすることが楽しい。でも、おそらく日々クルマを使う中では、運転することの楽しさよりも、負担感が大きい。常にいろいろなことに目配りして、制限速度を守って、他のクルマの迷惑にならないように、交通をスムーズに維持するように、渋滞では前の車にきちんと追随するように。だからテスラはこの負担を最小限に軽減するために、先端技術を活用するわけです。

現状のテスラのオートパイロットは、まだまだ制限が多い。高速道路は150km/hまで設定できるようになっていますが、大きく曲がるカーブなどで乗っている人の安心感を守るような減速は不得意で、ちょっとアグレッシブな運転をします。それでも、車線と車間をクルマがコントロールしてくれるのは、安心感が全然違うし、この緻密さは人間より確実性が高い。一般道は常に標識を読んでいて、制限速度+10km/hまで設定できますが、現在のオートパイロットは、おそらく車線と車間を中心に制御しているので、バイク、自転車、駐車中のクルマなどに対するリアクションはほとんどなく、オートパイロット任せにしているとヒヤッとします。

もちろん、オートパイロットを必ず使わなければいけないわけではないので、普通に運転すれば良いのですが、車線と車間のアシストがあるだけでも、安全性には必ずプラスに寄与しているし、より他のこと(歩行者や自転車など)に注力できるので、確実に安全性は高まっていると感じます。

そしてファルコンウィングドア。目を引くのはこの上ないし、実用性としても、横幅が狭いところでは、上にスライドするように開くので、なかなか便利です。難点は閉めるときの操作で、4種類あります。(1)ピラーにあるスイッチ、(2)ドア本体にあるクローズボタン、(3)コンソールパネルの画面操作、(4)キーフォブですが、(2)のクローズボタンは開いている状態では相当上の方にあるので、子供は届かないし、ちょっと背が低めの女性なども難しいくらい。(1)は搭乗後に閉めるときには有効ですが、降りるときには、スイッチ操作をして閉じる前にドアの下から逃げるように脱出しなければいけないのが今ひとつ。結局は(3)か(4)で操作することが多くなります。キーフォブのトリプルクリックで、フロントやテールゲートも含めたすべてのドアを一撃で閉めるという機能はよく使います。

しかし何にしても、人から一番聞かれるのもオートパイロットの話で、注目度はとても高い。先日、Elon Muskがtwitterで「来月リリースのオートパイロットの新バージョンは絹のようになめらかで最高!」とツイートしていたので、6月のアップデートが待ち遠しい。通信機能が標準装備で、アップデートにワクワクするのも、テスラの大きな魅力のひとつです。

ワンペダルドライブ

カテゴリーとしてはガソリン車(ハイブリッドカー)ですが、ノートe-Powerが大人気のようです。燃費の良いクルマは、往々にして運転が楽しくないことが多いわけですが、ノートe-Powerはリーフと同じ駆動系で、走りの部分だけなら電気自動車。0-100km加速は約7.5秒だそうですから、これは同クラスのハイブリッドカーとは比較にならない軽快さです。

加速力だけではなく、アクセルをゆるめたとき(回生ブレーキ)の減速力も高く、ほとんどの道路ではブレーキはあまり使わないのは、我が家のModel XやBMW i3も一緒です。

実は2017年現在、国内で販売されているクルマで、この特性(ワンペダルドライブ)を持っているのは、テスラの全車種と、BMW i3と、ノートe-Powerです。リーフは回生ブレーキをかなり弱く設定して、ガソリン車と違和感のない操作感にすることを優先しているので、アクセルオフでも強い減速はしませんが、リーフの場合はシフトレバーをBレンジに入れると、ワンペダルドライブに近い感覚になります。

文章だけで読むと、どうということのないことに感じるかもしれないし、ガソリン車とのドライブフィールの違いが気になるかもしれません。でも、このワンペダルドライブ、本当にすばらしい!ということを強く言いたい。

我が家ではBMW i3の購入を決める前に、モニターキャンペーンで1週間ほど乗りました。22kWhの旧バッテリー搭載車、かつレンジエクステンダー搭載車です。アクセルひとつでクルマが思うように動かせるこの感覚、文章で表現するのは難しいですが、ガソリンエンジン車(電気自動車ユーザーはICEVと呼びます)は本当に我慢を強いられていたんだな、と強く思います。段差や上り坂、下り坂、狭い場所での前進後退、ワンペダルドライブでは、自然とどの程度アクセルを踏んでどうやって止まるかが読めるようになります。エンジンを少しずつふかして、段差を乗り越えたらあわててブレーキを踏むという動作はとても神経を使いますが、もっと自分の体のように扱えるわけです。

普通に走っているときも、加減速の動作が自然になり、積極的になります。走りは気持ち良く、減速時は運動エネルギーが回生されて燃費は良いままだし、ブレーキはほとんど使わないので、ブレーキパッドも減らない。唯一の難点は減速のレスポンスが良すぎて、慣れるまでぎこちないことだけですが、誰でも半日あれば慣れます。違和感は輸入車のウィンカー位置が反対にあることより小さいと思います!

ハイブリッドカーも回生ブレーキがありますが、モーターの容量がまったく違うので、回生力もまったく違います。先日テスラで、高台から降りる途中の電費表示ですが、まさかのマイナス。高地で100%充電してはいけないな、と思ったりもしました。

Model X 60Dを買った理由

電気自動車1本で新しい価値を提供しようというテスラには、当初から注目していましたが、ロードスターの時代は、あくまでスーパーカーで自分が買うクルマとは全然想像していませんでした。

しかし、2012年にModel Xが発表されたときに、これは本当に乗りたい電気自動車だと思うように。しかしあまりに大きなサイズに、ミドルサイズセダンのModel 3や、ミドルクラスSUVのModel Yを待つのが良いのではないかと考えていたのですが、、、

日本国内でも2012年から予約が開始されていましたが、2015年3月に、突然「予約しておくだけならいいだろう!」と思い立ち、予約金50万円を支払って予約しました。国内での予約番号は89番だったようです。

予約から1年半ほど経過した2016年8月、すでに米国での納車開始から1年近く経っていたのですが、ようやく実車のショールーム展示の案内がきました。9月にショールームに行き、その後Webで注文確定という流れです。

ここで問題になるのは、どのグレードを選択するか。当時のラインアップは60D, 75D, 90D, P90Dの4種類。テスラの場合、グレードによって選べるオプションが変わることはないので、グレードの選択は純粋にバッテリー容量とモーターの出力で選ぶことになります。現在はラインアップが変わっていますが、当時の情報とあわせて表にすると以下のようになります。

モデル 出力(kW) 0-100km 車両価格(当時) 車両価格(現在)
60D 245 6.2 8,950,000
75D 245 6.2 9,990,000 10,780,000
90D 311 5.0 11,510,000 12,100,000
P90D 568 3.1 13,810,000
100D 311 5.0 12,840,000
P100D 568 3.1 16,112,000 18,450,000

バッテリー容量が大きい方が良いのは間違いないですが、60Dは実際は75Dと同じバッテリーを搭載し、ソフトウェアで60kWに制限をかけたものです。バッテリーのサイズは航続距離の違いになるだけでなく、実際は充電速度や劣化にも影響するわけですが、60Dは充電速度や劣化は75Dのスペックそのままで、航続距離だけが80%に制限されているモデルです。もともとバッテリーの性能維持のためには、100%充電しないで80%程度にとどめておくことが推奨されていることを考えると、75Dを買うなら、60Dが良い選択になりそうです。

一方、性能を求めるならルーディクラス・モードがついた「P」モデルが目を引きます。0-100km加速が3.1秒というSUVを超越した数字は魅力的です。買うなら60DかP100Dのどちらかじゃないか、と絞り込みました。当時の価格でP90DとP100Dに相当な価格差があるように見えますが、これは標準装備の違いも大きいので、オートパイロットをはじめとするオプション装備をつける前提で考えると、価格差はそれほど大きくないのです。

しかし、仮に3-4年乗ったとして、ルーディクラス・モードを何回使うかと思うと、2倍近い価格差はかなりためらわれます。あまり知られていませんが、3.1秒の加速を実現するためには、単にルーディクラス・モードにすれば良いわけではなく、バッテリー出力最大化を設定して、バッテリーが温まるまで待つ必要があります。もちろんバッテリーの負担も大きいため、耐久性にも影響があります。日常的に使う(必要もないですが)ものではないのです。

実際にModel Xに乗って大きすぎると感じたら、いずれModel Yにしようと考えるとなおさらPは無駄な投資と思えます。(当時の)P100Dと60Dの実質的な価格差は500万円くらいなのですが、むしろその差額でコンパクトカーを買った方が良いのではないかとも思います。ということで、もっともお買い得と思われる60Dにして、バッテリーが足りないと思ったら、ソフトウェアアップグレードで75Dにするという選択が良いという結論に至りました。

ちなみに60D→75Dのアップグレードは、いつでもMy TeslaのページからWebでクレジットカード決済できます。当初109万円だったアップグレード費用は現在では50万円に下がっています。あらためて60Dはお買い得なモデルだったなぁ、と思っています。

ガソリン車やディーゼル車との比較はどうでしょうか。フルサイズSUVを中心に比較表を作ってみました。

メーカー 車種 グレード 車両本体価格(税込) 米国価格(米ドル) 0-100km加速 JC08燃費 タイヤ
ポルシェ カイエン 8,940,000 60,600 7.7 9.3 255/55R18
S 11,840,000 77,400 5.5 9.5 255/55R18
アウディ Q7 3.0 TFSI 9,290,000 55,500 6.0 11.7 255/55R19
メルセデス GLE 350 d 4MATIC 8,680,000 52,000 7.1 12.9 255/55R18
GLS 550 4MATIC Sports 15,000,000 93,850 5.6 8.2 295/40R21
レクサス RX 450h AWD 7,285,000 53,035 7.7 18.2 235/55R20
LX 570 11,000,000 89,880 6.5 6.5 285/50R20
ランドローバー RANGE ROVER SPORT SE 8,950,000 67,650 7.6 6.9 235/65R19
テスラ Model X 60D 8,950,000 74,000 6.2 275/45R20

これを見ると明らかだと思うのですが、テスラは米国価格に対して、日本の価格がとても安いのです。これはテスラが公正価格方針をとっていて、世界中で同じ車種は同等の価格で買える状況を志しているためです。米国価格を基準にModel X 60Dのライバルを探すと、ポルシェのカイエンSが価格も性能も近いようですが、タイヤサイズやボディーサイズをみると、Model Xの方が全長+20cm、全幅+13cmで、タイヤサイズも標準20インチ、乗車定員も7名までいけるので、車格的には上と言って良いように思います。

カイエンSよりも300万円安く、クリーンエネルギー自動車補助金が60万円受けられ、重量税が免税、自動車税は軽自動車並み。スーパーチャージャーでの充電は永年無料で、オートパイロットなどのソフトウェアは2000万円級の上級車種とまったく一緒です。さらに、テスラ・ジャパンでは4年後に販売価格の約50%の買取保証があります。実質的な保有コストを考えると、Model X 60Dはこの上なくお買い得なのです。

ところで、現在ではすでに60Dはなく、代わりに(Pではない)100Dが新たなラインナップに加わっています。為替レートの変動もあり、価格も10%ほど高くなりました。現在の構成ならどの車種を選ぶか?これは100Dですね。75Dから見れば、33%バッテリー容量が増加し、NEDC基準の航続距離が150km増えます。0-100km加速は5.0秒で、ルーディクラス・モードはないけど、SUVとしての加速力はもはや(500万円くらい高い)カイエンターボくらいしかライバルはいません。

CHAdeMOの急速充電

EVユーザーなら当たり前のことかもしれませんが、急速充電のやり方を書いてみます。

CHAdeMOは主に日本の自動車メーカーが主体となって策定した世界標準の電気自動車充電方式。世界中で同じ自動車と充電器が使えるというコンセプトで、国内ではデファクトスタンダードです。しかし、世界を見渡すと他の標準もあるのでデファクトスタンダードにはなっていないようです。

見た目も大きく電流電圧も大きいわけですが、スマートフォンのUSB充電と大きく違うわけではありません。充電器と自動車を接続すると、相互に通信して最適な電流電圧で充電するという流れになります。完全に無料の充電器もありますが、通常は費用がかかる話なので、認証や決済が必要になります。

テスラの場合はテスラチャージングカードが6か月間無料、BMWの場合はChargeNowカードが12か月間無料で使え、それぞれ無料期間は従量制料金も無料なので、充電し放題です。無料期間が終わると、テスラの場合は月額3,250円(税別)、BMWは月額5,000円(税別)となり、急速充電は1分15円(税別)の従量制料金もかかります。

充電の手順は以下のようになります。

  1. 充電器の画面を操作して充電できることを確認する
  2. コネクターを自動車に挿す
  3. 充電カードをかざして認証する
  4. 充電開始する
  5. 充電が終わると登録メールアドレスに通知が来る(コネクターを抜いて途中でやめることもできる)
  6. コネクターを外し、充電器の画面で終了を確認する

充電器によっては、2と3の順番が逆の場合もあるようですが、基本的には充電器についている画面の指示に従えば良いので、難しくはありません。

充電カードがない場合、ゲストカード(充電器と一緒に置かれている場合が多い)を使って、クレジットカードとスマートフォンがあれば即時決済で充電できる場合も多いようです。NCSの場合、1分あたり50円(税別)です。125Aの充電器だとギリギリありかも、という気はしますが、50Aの充電器もある中で、1分50円はかなり高い。1kWhあたり60-200円くらいの計算なので、Model Xでは1km走行費用が15-50円くらいに相当します。

そもそもNCSの認証は車両と充電カードが紐づけられているので、本当に充電カードは必要なのか、という疑問があります。充電した電力も完全に把握しているのに、異なる能力の充電器に対して一律1分15円という値付けも疑問です。ここをもっとフェアなしくみにして行かないと、性能の高い充電器が普及しないし、EVライフの質は上がらないですね。

テスラModel Xを機械洗車

Model Xは全長が5.05m、全幅が1.99m(いずれも車検証記載数値、カタログでは全長5037mm、全幅2070mm)という巨大サイズのSUVです。機械洗車はとうてい無理だと思って、最初から眼中になかったのですが・・・。

セルフ洗車機でこんな大型車対応のものを見つけました。

車幅制限2.27mと書いてあります。こ、これは・・・。よく見ると、全長が5mを超えるもの、タイヤの両端が1.9mを超えるものは対象外というようなことも書いてあるのですが、誤差でしょう?という気もしますw。これはとりあえず入れてみようということで、トライしてみました。

確かに左右のガイドレールが、Model Xのタイヤでギリギリ。まったく余裕はありませんが、逆にギリギリ収まっているように見えます。よし、これは思い切ってやってみよう!と、緊急停止ボタンの近くで構えながら、洗車してみました。

結果、、、何の問題もなくキレイに洗車できました!これはいい。これからも積極的に使わせてもらいます。

BMW i3納車

オーダーしてから半年ほど待ったBMW i3が納車になりました。33kWhの新バッテリー搭載車です。i3はレンジエクステンダーを装備できるのが人気のようですが、今回納車されたのは純粋なEV仕様のi3で、レンジエクステンダーはつけていません。

レンジエクステンダーはBMWのバイク用エンジンを発電用に搭載し、9リッターのガソリンタンクを搭載することで、およそ100kmほどガソリンで航続距離を延ばすことができる一方で、130kg(乾燥重量の10%強)ほど車重が’重くなります。万が一充電が不足しても、ガソリンスタンドで補えることは、EVの不安を解消してくれますが、CFRPのボディーで軽量が売りのi3にレンジエクステンダーはもったいない。

以前から計画していたことですが、たまたま納車時期が近く、わずか1か月の間に電気自動車2台の生活になりました。これでもうクルマを買い替えない限りは、2台ともガソリンスタンドに行くことはなくなります。テスラは本当にサイズが大きいので、日常的な子供の送り迎え(主に妻)などは、これからはi3が活躍することになります。